Change.orgで立ち上げたキャンペーンの全文を以下記載します。(Change.orgには内容を抜粋して記載。)

 署名はこちらから!


毎日のように虐待のニュースが流れ、怒りと悲しみに心が締め付けられます。
幸いにも保護されれば「本当によかった…これからは幸せに」と安堵します。

しかし保護の後、子どもたちがどこへ行くのかについて、詳細にはあまり知られていません。

保護された後の子どもの行き先(一例)

フロー

子どもの処遇が確定するまで、一時的(原則2ヶ月以内・延長可能)に過ごす場所です。
②新生児等の乳幼児の場合は、一時保護所での受け入れはできず「乳児院」での保護となります。
③その後実親の同意がとれた場合のみ、「里親※家庭」や「ファミリーホーム」の元へ行くこともあります。
④原則3歳以上の大半の子どもは、一時保護所を経て「児童養護施設」に行きます。
⑤保護された後、実親の同意がとれて「特別養子縁組」できるのはほんの数%
⑥乳児院や一時保護所及び児童養護施設が満員の場合、問題が解決していなくても実親の元へ返してしまう事態まで発生しています。

国は、家庭環境が保障される2つの制度を推進しようとしています。
1つが、実親との親子関係が解消し、新たな親子関係が成立する特別養子縁組制度です。
(重大な虐待や精神疾患などがある、将来にわたって子どもを養育できる可能性が低い場合、新生児遺棄など、親が見つからない場合、特定妊婦が希望する場合等)

もう1つが実親との親子関係は継続するものの、家庭養護が可能な里親制度です。
(実親自身も虐待された経験がある、知的な障がいがあるなど、実親自身にも支援が必要な場合や一時的な病気などにより、一定期間養育できない場合等)


しかし冒頭で示した通り、実際は特別養子縁組や里親の元にいけるのはごくわずかです。里親は登録数の半分以上が未委託のままなのに、7〜8割の子どもたちが乳児院あるいは児童養護施設に行っている実態は、事実上の「原則施設」方針が貫かれているようにしかみえません。

児童虐待を本当の意味で根絶するために、更には子どもの最善の利益のために、私たちは「保護の先のこと」を考えなければいけない時が来ています。

実親が将来的にも養育できないならば、新しい親子関係が戸籍上も保証される特別養子縁組へ。
一時的な病気などで実親が再び養育できる可能性が十分あるなら、まずは家庭的な環境下である里親委託へ。
10代後半で、自分の意思で施設を選ぶ場合など、施設が適する場合は施設へ。

1人1人に必要な支援は違います。
大切なのは「子どもの最善の利益」のため、多くの選択肢の中から最善の選択ができることです。
中でも、家庭のぬくもりを与えられる特別養子縁組、里親制度の両制度を推進することが急務となっています。

私達はSNSの繋がりで同志となりました。
養育里親・ワーキングマザー・子育て中の主婦・会社員・施設ボランティアなどバックグラウンドは様々ですが、
「血の繋がりがなくても、子どもが温かい家庭で過ごせることを当たり前にしたい」との想いで集結した者達です。
この繋がりをもっともっと大きくして、国等に届けたいと思います。
どうか皆様のお力をお貸しください!

~2つの叶えたいこと~

【1.子ども一人一人に専任の児童福祉司等をつけることで、子どもの最善の利益を叶えさせて下さい。】

現在の日本は「子どもの視点で考え、子どもの主張に耳を傾け、子どもの最善の利益を優先する」ということが徹底できていません。
それは1組の親子に対して、1人の児童福祉司(児相の職員)しかつかない仕組みだからです。
聞き取りの際、子どもは親に気を遣ったり、親をかばう様な発言をすることも多いです。
一方、親は自分の都合がいいように「うまく」話します。1人の児童福祉司が十数人を受け持つなど、対応しきれない中、親の権利、主張が優先されてしまいます。

イギリスでは、子供にも1人専任のケースワーカー(日本でいう児童福祉司)がつきます。親には別のケースワーカーが付きます。その専任者が「子供の最善の利益を守るため」に戦える仕組みとなっています。
アメリカでは親と子それぞれに弁護士がつき、裁判所が判断します。

子どもの最善の利益を優先させるために、特別養子縁組・里親の両制度を推進するには、子どもの権利の代弁者が必要不可欠です。
★欧米にならい、子ども一人一人に、親とは別の専任の児童福祉司等をつけることで、子どもの最善の利益叶えさせてください。

【2.一定の条件を満たさない実親の親権を制限することで、両制度を推進して下さい。


現在、施設で暮らす子ども達は全国に約3万人にものぼりますが、両制度が進まない最大の要因は、実親が同意しないことです
例えば「一緒に暮らしたくないけど、親権は持っていたい!」「施設ならいいけど、里親の元で育つのは許せない!」「自分の好きな時に面会したいから施設へ」といった実親本位の意向が優先されているのが現実です
また、特別養子縁組が増えない理由には、実親と連絡が取れないため、というケースもあります。そのような場合は法律上、縁組を行って良いとされていますが、養子の斡旋を行う児童相談所は後々実親が現れてトラブルに発展するのを恐れて特別養子縁組の申立を控える傾向にあります。また児相の現場では、虐待などの最優先事案の対応に追われて職員が足りず、養子縁組の斡旋にまで手が回らないという声も上がっているようです。

実際、平成26年度の調査(全国)では、乳児院を退所した約2200人の子ども達の退所理由の大半が児童養護施設などへの入所です。
里親委託は僅か11%、特別養子縁組はたったの2%でした。里親委託もその殆どが1歳を過ぎてからという悠長な対応でした。
子どもは、乳幼児期に特定の大人との愛着関係を結ぶ経験から、自己肯定感の土台が形成されます。
この自己肯定感の有無が後の人生を左右する程、人として不可欠なものです。
更に、愛着関係を結べなかった子どもは、愛着障害症や脳の発達に影響が出ることもわかっています。

いつ迎えに来るかも分からない実親との再統合に重きを置いて、子どもを長期間施設に置くことは子ども達の最善の利益とは言えません。
親権を離したくない実親の意向がたとえどんなに無視しがたい場合でも子どもは親の従属物ではありません。
未来ある1人の人間の権利を優先させなければなりません。もうこれ以上、施設措置を不必要に長引かせないで下さい。

★きめ細やかな説明を以ってしても両制度に同意しない実親が、
一定の条件(生活環境等の改善が見込めない、面会交流が数ヶ月間全くない等)を満たさない場合は、親権喪失させることで特別養子縁組を、親権停止することで、里親委託を推進してください。
※親権停止・親権喪失にあたっては、【1.】に記載した専任の児童福祉司等が、
子どもと既に信頼関係を構築している大人(施設職員、里親等)の意見も聞き取りの上、
子ども自身の意見や子どもの最善の利益を優先して決定して下さい。

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欧米には児童養護施設が非常に少なく、特に乳児院というものは、ほぼないそうです。0-2歳のこどもは、必ず里親や養子縁組などの家庭環境が保障されます。そうしなければ、愛着障害を始め、子どもに対する深刻な権利侵害が生じることを、非常に重く受け止めているからです。米英では裁判所が「子の最善の利益」と判断した場合など柔軟に対応し、親権停止が毎年5万件を超えていることは、国としての「本気の姿勢」が垣間見えます。

親権に触れているこのキャンペーンのハードルが相当に高いことは重々承知しています。
それでも、私たちは一人でも多くの【共感】を集めて国に届けたいです。国を動かす力に変えたいのです。

どうか皆さまのお力をお貸しください。 署名はこちらから!

 ~虐待の根絶と子どもの権利を守る会 一同~

「里親※家庭」ここでは養育里親、専門里親、親族里親の3つを指すこととします。


私たちは本キャンペーンの他にも、以下のキャンペーンを立ち上げております。
虐待などで親と暮らせない子どもたちを、長期的に支援できる里親制度に改革してください。
貧困・虐待の連鎖を断ち切るため、進学支援や『伴走者』制度で子ども達の自立を支援して下さい!

*厚生労働省では2019年度予算案で多くの改善策を打ち出しています。
それでも足りないと思う部分を取り上げた活動です。

知識が多くない私達でしたが、諸先輩方のブログ、記事等ネット上の文献に大いに勉強させて頂き、このプロジェクトを立ち上げる事ができました。
社会的養護についてSNS等で発信されている全ての方に感謝申し上げます。